【報告】平成29年度 練馬区糖尿病医療連携研修会
JPALSコード:13-2017-0340-101
日本薬剤師研修センター:1単位
日 時:平成30年2月28日(水)19:30~
場 所:練馬区立区民・産業プラザ(練馬駅北口複合Coconeri内)ココネリホール
参加者:73名(実習生3名)
次 第
司 会 理 事 齋藤 英男
○会長挨拶
会 長 関口 博通
○講演「糖尿病の重症化予防における練馬区での取組み」
練馬区 区民部 国保年金課
保健事業担当係長
澤田 紀久氏
○講演「糖尿病の重症化予防に向けて~薬局と医療機関はどう連携するか」
医療法人社団 桜舞会 井関内科
院長 井関 惠子先生
○質疑応答
○閉会の辞
副会長 伊澤 慶彦
2月28日(水)に、ココネリホールにて
「練馬区糖尿病医療連携研修会」を開催致しました。昨年に引続きの開催となりましたが、開催趣旨といたしましては「薬剤師が糖尿病について、改めて正しい知識と理解を深める。」どこに、どのような社会資源があり活用できるか。そして、昨今言われている連携。糖尿病では、どこと、どのような連携が重要か。
それらについて、2名の演者の方をお招きして開催致しました。
まず、練馬区 区民部 国保年金課 保健事業担当係長 澤田 紀久氏から
「練馬区国保における保健事業の取組について」
という演題でご講演賜りました。講演では
「練馬区国民健康保険の現状」「糖尿病対策(重症化予防事業)」「データヘルス計画に基づく保健事業の取組」につきまして、ご説明いただきました。
国民健康保険については加入者や加入率の推移から、現状の医療費、そして最新の動向。
糖尿病対策では、練馬区国保における糖尿病医療費の推移や合併症や、透析患者数の状況。そして、未受診者に対する重症化対策とそのポイント。特に、未受診者対策では練馬区国保としての具体的な取組をお伺いすることができました。
データヘルス計画に基づく保健事業の取組では、そのねらいや目標、そして今後の展開。
これらのお話は、なかなか薬局にいると知ることができないもので、大変興味深い内容のお話でした。
次に、医療法人社団 桜舞会 井関内科 院長 井関 惠子先生から
「糖尿病の重症化予防に向けて~薬局と医療機関はどう連携するか」
という演題でご講演賜りました
講演では、糖尿病治療の考え方を最初に提示していただきました。
そして、病態に合わせた治療をして行く上で何が重要か。まず、現状での血糖降下薬の選択について、内服薬・注射製剤それぞれを詳しくご解説いただきました。
他にも
血糖コントロールの考え方
・高血糖は是正する
・どの薬剤を選ぶか
・高齢者に対して
当院での糖尿病患者さんの経過チェック方法
・コントロール困難の要因
・注射薬導入ができない場合
・肥満や嗜好品やそれ以外の患者背景
・アドヒアランス問題
認知症の方への治療方法
・管理目標はどこか
・薬剤の選択
・他(多)剤併用の注意
につきましても先生のご経験と、データをふまえてご解説いただきました。
そして、今回の講演の演題にもある「薬局と医療機関の連携」について。
先生のお話では「かかりつけ薬局」と「かかりつけ医」がいかに情報をこれから共有するか。
治療中の患者さんはもちろん、未治療であったり、治療を中断している患者さんへのアプローチ。
その方法と、薬局へ向けた熱いメッセージを最後に頂戴することが出来ました。
講演後には、糖尿病についてだけではなく「連携」に関してフロアからの質問も出て、大変有意義な研修会になりました。
来年度の調剤報酬改定でも「医療機関との連携」という部分が大変評価されていくのは皆さまもご存知の通りかと思います。
今回の「糖尿病医療連携研修会」は、その名の通り「連携」について新たな大きな道筋が得られたような気がいたしました。
社保・生涯教育委員会
主担当理事 齋藤英男