【報告】第285回 医薬講座 JPALSコード 13-2018-0013-101
日本薬剤師研修センター:1単位
日 時:平成30年4月17日(火)19:30~
場 所:光が丘区民センター3階 多目的ホール
演 題:①平成30年度 練馬区禁煙支援事業について
練馬区健康推進課 健康づくり係 橋本 朋美 様
②タバコをやめたい気持ちをサポートする新しい支援のかたち
~動機づけ面接を用いた禁煙治療~
(株)野村総合研究所 産業医
東京都済生会中央病院 糖尿病・内分泌内科 村田 千里 先生
参加者:61名(会員42名・非会員19名)
今月の医薬講座は、休日薬事相談委員会の企画です。
今年度は、年10回ある医薬講座のいくつかを、練馬区薬剤師会の委員会がそれぞれ企画し、提供していきますので、楽しみにしていてください。
今年度、第1回目の医薬講座は、練馬区の『新・禁煙支援事業』を取り上げました。
まず、区の健康推進課、健康づくり係の橋本様から、具体的な事業の進め方をご説明いただきました。
現在、昨年度までの、誕生1年未満の乳児のいるご家族への禁煙支援事業からの移行期中ではありますが、禁煙をしたい気持ちを持った区民の方が来局されたら、速やかに、この事業の提案ができるよう、禁煙支援薬局にお勤めでない薬剤師の先生方にも分かりやすいご説明をいただきました。
事業を進めながら、今後でてくる質問や問題を、休日薬事相談委員会でまとめ、健康推進課とも、会員薬局の先生方とも共有していければと考えています。
続いては、
『タバコをやめたい気持ちをサポートする新しい支援のかたち
~動機づけ面接を用いた禁煙治療~』というテーマで、
(株)野村総合研究所 産業医 の村田千里先生にご講演いただきました。
まず、先進国のなかでも遅れている、日本の禁煙対策、喫煙、特に受動喫煙の危険性、喫煙が健康に及ぼす影響など、本当に怖い話が進みました。
村田先生は糖尿病がご専門ですが、禁煙を勧めるのが呼吸器系の医師が主であるという偏見も指摘されていました。
禁煙が、慢性疾患とその合併症を防ぐことの重要性を考えると、全科の医師が取り組んで、何の不思議もないということです。
『動機づけ面接』は、禁煙支援のみならず、さまざま場面で活用可能なコミュニケーションスキルです。
特に、禁煙支援においては、『やめたい気持ち』を、拾って拾って拾い続ける作業だそうです。
『わかっちゃいるのにやめられない!』という両価性(アンビバレント)な状況で有効とのことでした。
村田先生は、行動変容への動機を形成・強化していくスタイルと説明されていました。
『変わりたい』と考えて発せられた言葉を、利き手が繰り返しかつ、後ろに回して印象付け、さらにこちらから発言者を正すのではなく、発言された内容を少し強調して返し、それを『正させる』ことで、動機づけを強化するようです。
時間の経つのも忘れ、村田先生のお話に聞き入ってしまいました。
講演会のレジメンは、参加された薬局の先生方に、後ほど送らせていただきます。
レジメンの中に、参考図書や関連するウエブサイトの紹介もありますので、参考になさってください。
当日の会場の雰囲気をひとことで表現すると、村田先生に会場全員が動機づけされたと言っても過言ではないかもしれません。
休日薬事相談委員会
主担当理事 前田 眞理子
副担当理事 會田 一惠
今後の開催予定
第286回医薬講座 平成30年5月23日(水)練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)
テーマ:「関節リウマチ患者のQOL向上を目指した薬物治療」
第287回医薬講座 平成30年6月12日(火)光が丘区民センター
テーマ:「人生の最後はどのように過ごしたいですか(仮)」
第288回医薬講座 平成30年7月25日(水)練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)
テーマ:未定